皆さんこんにちは。がんばろう!日商簿記2級合格。

今回のテーマは、「ビジネスに使える2級の知識~貸し倒れの穴埋めに必要な売上アップは?」についてお話しいたします。

簿記2級

日商簿記2級の知識は、ビジネスのいろいろな側面で幅広く応用できます。
最初にお話するのは現実的にはあまり嬉しくない話ですが、「会社が得意先にお金を貸して、売上代金の支払いを待ってあげる(「つけ」または掛け)」という状況についてです。

では問題です。貸したお金が返ってこなかったら、それを穴埋めするためにいくらの売上をアップしないといけないでしょうか。

この計算、推測については、2級の知識になります。具体的には「直接原価計算」という知識を使いますが、難しい用語のように感じますが、現場の商売に密着しています。

では、最初に基礎知識についてお話しましょう。

2級の勉強をされている方は復習になります。勉強されていない方もなんとなく自分のビジネスに置き換えてみてください。

直接原価計算では、売上高の増加減少に直接関係のある費用だけを集めましょう。

売上に直接比例増減するコストを集めるやり方を直接原価計算といいます。それだけでいいです。

具体例を挙げましょう。

ある会社のある年の業績が売上高1000万円に対して、変動売上原価。これは、商業だと仕入原価だと思っていいです。製造業の場合はちょっと面倒くさいですが、概ね仕入原価みたいなものだと書きましょう。商品を買ったときの原価です。製造業の場合は材料代とかであることが多いです。

材料の仕入原価とか商品の仕入原価、そういった変動です。売上が増えれば増えるほど増える原価。売上が減れば減るほどかからない原価です。

人件費は固定費なのであんまり変動しません。だから固定費になることが多い。固定費は売上が増えようが減ろうが変わらない費用です。家賃も固定費です。

難しい言葉でいえば、減価償却費ともいわれます。基本給、固定給みたいなものは固定費なので変動原価に入りません。売上に比例するものだけです。

もう1つ。実は売上原価と仕入れ原価以外にも売上が増えればそれだけ余計にかかるコスト、売上がゼロならかからないコストがあります。変動販売費です。

運賃、販売手数料などの販売促進費(商品を売ってくれた販売代理店に払う手数料)も、売上が増えれば増えるほど比例して増加するし、売上が減れば減るほどかかりません。売上がゼロになれば、かからないものは変動販売費です。

したがって、変動売上原価とか変動販売費は、売上がゼロならばかからない費用です。

完全に比例します。売上に比例する利益のことを、売上から変動原価、変動販売費を引いて、この場合は350。これは貢献利益といいます。売上に比例する利益です。

貢献利益は原価利益という言い方もありますが、どちらでも構いません。もともと原価利益は経済学用語です。売上に比例して増えたり減ったりする利益のことを貢献利益といいます。あるいは原価利益。何に貢献するというと、その下に家賃とか固定給とかいろいろありますよね。そういった必ず毎月かかる固定コストの支払いに貢献します。

固定費を越えた部分は、利益といいますので、最終的に本業で得た営業利益といいます。この利益と固定費の合計を「貢献利益」といいます。何に対して貢献するかというと事業活動に貢献すること。つまり固定費の支払いであるとか、利益としてその後の会社の設備投資に貢献します。会社の事業に貢献するという意味で、まずは身近なところで固定費の支払いに貢献する利益。売上、事業に貢献する利益を貢献利益と考えてください。

350というのは売上に比例しますので、売上が10増えれば3.5増える。売上が10減れば3.5減るみたいに売上100パーセントの内35パーセントの利益が連動すると思ってください。これを覚えといてください。

以上の基礎を踏まえていよいよ「貸し倒れの穴埋めに必要な売上アップ」の問題です。

ビジネスでよくあることですが、得意先が経営破綻、経営不振に陥ってお金が取れなくなる。得意先への売上代金の未回収、貸したお金、売掛金といいます。「つけ」ともいいます。このつけが350万円貸し倒れ、回収できなくなりました。350万円の売上代金がなくなったのです。さて、この損失を穴埋めするためにいくらの売上が必要ですか?

営業研修の中で質問すると、8割の人が間違える問題です。ケイイチ君というのはキッズ簿記のキャラクターですが、彼は次のように答えます。

「350万円回収できなくなっちゃったのだから、350万の売上を失ったんでしょう。350万円の売上じゃないの?」

同じように思う人が8割いるのですが、ここで2級の先ほど勉強した直接原価計算の分野における貢献利益、売上に比例して上がる利益、変動費の存在を考えなくてはいけません。

変動費は先ほど見ましたが、1000に対して650。逆に言うと100に対して65は絶対かかります。

つまり35しか利益が残りません。35パーセントは考えないといけません。100の売上がすべて利益になるわけではありません。利益は65を引いた35。

そうなるとどうでしょうか。350万円の貸し倒れというのはお金が入ってこない状態です。まるまる損失になります。350万円損しました。ということは350万円の売上がだめなのです。350を利益で補填しなければいけません。

さて、正解は「1000万の売上アップが必要」です。

考え方を説明しましょう。

350万円の貸し倒れた損失。お金が入ってこないこと自体は損失です。それに対して発送費とか仕入原価がかかっていますから、350に対して貢献利益率30。これを利益で賄おうと思ったら0.35という貢献利益率で割って、1000万の売上アップが必要。

ケンイチ君、「どっひゃー」と言っています。

だから、債権管理は大事です。なぜ債権管理が大事かはこういうことからもわかります。350万円の売上代金が貸し倒れた場合、350万円の売上じゃ間に合いません。その3倍近くの1000万円の売上アップをしないと現状維持ができない。だから貸し倒れは怖いんです。

以上のようなことを学べる基礎知識が簿記検定2級です。2級の勉強はビジネスのあらゆる場面に使えます。こういった2級の知識がビジネスに役立つ話を折に触れてお話していきたいと思っています。ご参考になったでしょうか?

ぜひこれから2級の勉強がんばってやってみてください。もちろん3級の勉強がベースになった上で、もしご興味がありましたら2級の勉強までやっておくとさらにビジネスに対する理解が深まります。そして広い分野の事柄が理解できるようになります。新聞も読みやすくなります。

ぜひがんばってください。私はいつもあなたの2級学習を心から応援しています。

ここまでご覧いただきまして、誠にありがとうございました。

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