15分で60分の簿記の授業を復習する方法1/2

がんばろう日商簿記1級合格、今回は、忙しい社会人のために15分で60分の授業を復習するテクニックをお伝えします。

この方法を略して「1/4圧縮メソッド」と名付けました。
これは柴山式簿記1級講座を受けている方にも聞いていただきたいですし、それ以外で、今後色々な形で資格試験などを勉強する方にも活用していただきたい方法です。

60分の授業を60分かけて復習するのはもったいないので、60分の授業を1/4ぐらいの15分で復習を終わらせて、それを早く3回転することをおすすめします。

そもそも、「授業の復習とは何か?」ということから考える必要があります。
このテクニックは、日商簿記検定1級に限らず、他の資格試験、勉強、読書、セミナーの受講にも使えるので、これを活用してみてください。
このテクニックのキーワードは、まさに「キーワードのインプット」です。
キーワードインプット法が一番わかりやすいです。

これは私の受験生時代の経験に基づいているものですが、文章でノートを作るのは意味がないとは言いませんが、時間が勿体ないです。
キーワードを羅列して、キーワードの行間は頭の中で思い浮かべるのが応用力をつけるためには一番良い方法です。
したがって、私のノートはほとんど「単語」「記号」「線」だけしか書いてありません。
“マインドマップ”に近い形です。

どういう手順でやるのかを簡単にお話します。
柴山式の場合は、1回分の講義はだいたい60分ですが、1つの例を挙げると、割賦販売というテーマは苦手な方が多いのです。
時々、「割賦販売をやらずに簿記1級を受けていいですか?」という質問を受けますが、それには「止めた方がいい」と回答しています。
割賦販売が出たら致命傷を負います。

割賦販売はできなければいけないテーマです。

多くの方が苦手意識をもっている、割賦販売を例に取り上げてやってみたいと思います。
このようなテーマこそ、60分の講義に対して、その何倍もの時間を復習に費やして濛濛としていると思います。
したがって、あえてみなさんが苦手とする傾向の高い割賦販売を取り上げます。
今回は柴山式の商業簿記・会計学のテキストを例にして紹介しますが、あなたが現在使用しているテキストに応用してもいいです。

柴山式の場合、割賦販売に関しては基本的な知識、処理方法、損益計算書の表示から戻り商品損失という、ある種特殊な論点まで含めて、18ページにまとめています。
通常、一般的な専門学校や市販本の場合は、この倍ぐらいの30ページ程度あるはずですが、柴山式では半分程度に圧縮しています。
これは問題集も入れて、です。

この18ページのテキストの内容を1時間から1時間半で講義をします。

この講義の復習を15分で圧縮してみます。
割賦販売のテーマ全体は、本来5時間から6時間かけます。
普通は2コマ分くらいかけてやります。
柴山式ではこれを1時間から1時間半くらいでやってしまうのですが、これをどうやって15分から20分程度に圧縮するかをお話しします。

まず1番目に「キーワードの抜き出し」をします。
キーワードを抜き出すことは大事で、これ自体があなた自身で授業を圧縮していることになります。
キーワードを抜き出すということは、大事なものを抜き出すということなので、そこであなたの判断が入ります。
ここで重要なのは、必ずしも正しいキーワードを抜き出す必要はないということです。
講義を聴いていれば、大事なところは言いますから、それを自分で考えて抜き出します。
「“自分の判断で”抜き出す」というプロセスが尊いのです。

ここでおすすめするのは、抜き出すキーワードの数は16個にすることです。
授業の時間やテーマのボリュームによって、16個から32個の間で調整してください。
今回は割賦販売というそれなりにボリュームのあるテーマでも16個で収まります。
通常は16個で考えて、収まりきらない場合は20個とか32個考えても構いません。
キーワードを抜き出すという作業自体であなたの頭はフル回転しますが、ここで理解しようとする必要はありません。何がキーワードなのかを抜き出すという「作業」自体が、知的興奮を呼び起こします。

そして2番目に、キーワードを抜き出したら、あなたの判断でいいので、それらを3つの重要キーワード(親キーワード)に分けます。
親キーワードに分けるときには、最大5つ以内にします。
これがカテゴリーになります。

そして3番目に、そのキーワードを軸に関連づけをします。
この作業が頭を使うのです。
そのときに、内容1つ1つに深入りして理解する必要はありません。

そして4番目ですが、自分が抜き出したキーワードを、その時点で理解してようがしていまいが構いません。
理解は必ず後でついてきます。
自分がキーワードを見た“雰囲気”で「重要かつ分からないもの」に印をつけます。

そして、いずれ取り組む例題や過去問などのアウトプットのときにやれば間に合います。
例題や過去問を“力試し”だと思うから遠回りになってしまうのです。
変な言い方ですが、アウトプットもインプット(勉強)なのです。
知識の吸収を例題や過去問で行ってください。
したがって、知識の吸収はアウトプットの段階でも続きます。
アウトプットである例題や過去問の準備として、今、学んでいることのキーワードの整理をして、重要と思われるキーワードで、かつ、自分が分からないものを仮に特定すればいいのです。
これを例題や過去問の学習をしている過程で身に付ければいいと考えてください。

そして5番目に、全体の振り返りをします。
特に、重要キーワード(親キーワード)の絞り込みとの兼ね合いで見てください。
これで体系が身に付きます。
つまり、授業の復習のポイントは、自分が作業をして、大事なキーワードをピックアップして絞り込むことで知識を整理し、そして、自分がわからないところを特定して、全体を振り返ることで、全体像を把握し本質を理解します。

このプロセスを、例えば、60分の授業があったとしたら、1回目は15分でそれをやります。

次の日もその次の日も15分で同じことをやります。
3日連続で15分ずつを3回連続で復習することをおすすめします。
これをやることによって、インプットが非常に充実したものになります。

では、以上のステップを実際にやってみます。
まずは、柴山式のテキストの割賦販売のページをずっと見て、ざっくりキーワードをピックアップします。

たとえば「回収基準」、「回収期限到来基準」、「未実現利益控除法」、「繰延売上利益控除(控除・戻入)」、「割賦売掛金」、「手許商品BOX」、「割賦売掛金BOX」、「B/S、P/L表示」、「対照a/c」、「繰越商品」(次へつづく)

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