今回は第2回です。

 

今回はバランスシートの表示について理論的なことをやっておきたいと思います。

このあたりは会計学対策にもなります。

 

あとは財務分析のときにも役に立つ知識ですので、この機会に理解していただきたいと思います。

「流動固定分類と流動性配列法」というテーマでお話をしたいと思います。

貸借対照表の左側は資産で右側は負債と純資産です。

 

簿記検定3級・2級の勉強をしていたときにはなんとなく現金に近いものから順番に並べていたと思いますが、これを理論的に学ぶのが日商簿記検定1級です。

 

簿記3級、簿記2級で何気なくやっていたことを理論的背景をもってある程度説明できるようになりましょうということです。

 

だから会計学という科目があるのですが、理論的背景も大事なのです。

なぜそうなるのかという原因や理由を知っておくことも、深く会社の財務状況を把握するには非常に有効な知識です。

 

今回は貸借対照表をボックス表示しています。

借方の上から「1.流動資産」「2.固定資産」「3.繰延資産」となります。

 

見方としては、イメージとして流動資産と固定資産が大事であって、繰延資産はそれほど重要ではありません。

 

繰延資産は換金性がないですし、本来であれば費用なのです。

本来は費用だけれども無理矢理資産にしたような部分があるので、M&Aや合併などをするときには評価できない部分です。

 

固定資産のように現物の財産でもないし、無形固定資産のような法的な権利でも何でもありませんので、財産価値がないのです。

 

会計上の都合で無理矢理資産にしているので、あまり資産として深く考えないでください。

あくまで重要なのは流動資産と固定資産なのです。

 

貸方は上から「流動負債」「固定負債」「純資産」という表示に慣れていると思いますが、必ずしもこの表示ばかりではありません。

 

今回の解説では2つのポイントを学びます。

1つは「流動固定分類」という、流動資産と固定資産に分ける基準です。

 

これは即ち流動負債と固定負債に分けるときの判断基準にもなって、ステップは2つあります。

 

そして2つ目のテーマは「流動性配列法」です。

流動資産が上で固定資産が下というケースや、反対に固定資産が上で流動資産が下というように順番が変わるやり方もありますので、これも一応知っておいてほしいです。

 

まずは流動固定分類の基準について見ていきますが、ここは2つのステップに分けて考えます。

 

まずステップ1は、流動資産と流動負債を抜き出す作業です。

営業循環基準、あるいは正常営業循環基準という言い方をします。

 

一番広い意味では営業循環基準と言うのですが、あまり深く区別しなくてもいいと思います。

 

これは営業サイクルというもので、簡単に言うと、たとえば、仕入、棚卸資産、売上、回収の4つを考えておけばいいです。

この通常の営業サイクルの中で発生する資産・負債を流動資産・流動負債とします。

 

まずは流動資産と流動負債を抜き出すということで、営業サイクルから発生するものとすると、イメージとしては、仕入の段階では買掛金と前払金、保管の段階では棚卸資産、販売では売掛金や前受金があります。

 

現金も流動資産になりますが、預金に関しては次に説明する「ワンイヤールール」によって区分します。

 

このように、営業サイクルの中で発生するようなものは流動資産に入れます。

ただ、定期預金に関しては少し違います。

「定期」というぐらいですから、営業活動で使うものではありません。

 

ですので、定期預金や貸付金や前払費用のようなものは、次で説明する「ワンイヤールール」を使います。

 

簿記1級のレベルを超えた細かい話になりますが、経過勘定といって、前払費用の他に前受収益や未収収益や未払費用がありますが、これらも本当は1年基準を使うべきなのですが、実は使いません。

 

ただ為替預金に関しては1年基準で、法令による分類でいくならば、前払費用は1年基準ですが、それ以外は流動としてもいいです。

 

前受収益だけは為替予約の関係で長期前受収益とやりますが、これはちょっと細かい処理の話になります。

 

経過勘定に関しては、前払費用は流動と固定に分ける意味があると言われています。

不動産取引では長期前払費用が結構出てきます。

 

前払費用は1年基準ですが、それ以外の経過勘定は流動という表示をしましょうという決まり事もあります。

 

このあたりはあまり厳密ではない部分があるので、そんなものかと思ってください。

ただ、前払い費用は1年基準です。

 

1年基準というのは、つまり営業循環過程で流動資産をふるいに掛けて、そこで流動資産と分類されなかったものが、第2ステップで1年基準でふるいに掛けられます。

 

1年基準(ワンイヤールール)というのは、決算日の翌日から起算して1年以内に回収するものです。

回収をするときには、貸付金であれば現金になりますが、これを貨幣性資産といいます。

 

その資産を回収するときに貨幣になるものは貨幣資産で、その資産が回収されるときに費用になるものを費用資産といいます。

 

たとえば棚卸資産は売上原価になりますし、有形固定資産であれば減価償却費というように、費用として解消するものを費用性資産といいますし、貨幣で回収されるものを貨幣性資産といいます。

 

いずれにしても決算日の翌日から起算して1年以内に解消されるものを流動資産として、1年を超えるものを固定資産というように覚えておいてください。

 

ただ、建物や土地のような有形固定資産は、企業会計原則にありますが、耐用年数を超えても使うことがあるので、耐用年数が1年以内になっても固定資産として表示することになっています。

 

そして繰延資産は一番下に表示されます。

ちなみに、ステップ1の営業循環基準とステップ2の営業循環基準にかからないものとして、代表例は有価証券があります。

 

有価証券は売買目的であれば流動資産で、満期保有目的であれば1年基準で判断します。

1年以内になったら満期保有目的であっても流動になりますので注意してください。

 

それから、子会社株式・関連会社株式は問答無用で固定資産になります。

その他有価証券も固定資産(投資その他の資産)になります。

このように保有目的によって流動固定分類がなされているというふうに覚えてください。

 

流動負債・固定負債も、ステップ1の正常営業循環基準とステップ2の1年基準を踏みます。

 

次に「流動性配列法」といって、流動固定分類が終わったら、それらをどのような順番で並べるかということで、配列の仕方についてです。

 

流動性配列法といって、流動資産が上で固定資産が下という順番で表示される方法が一般的です。

 

なんとなくイメージが湧くと思いますが、現金預金といった換金性の高いものが重要であって、これを「短期支払能力」といいます。

 

会社に利害を持っている外部の人(株主や銀行など)、特に債権者は短期的な支払い能力に注目します。

 

短期的な支払い能力があればお金を返してもらえると思って、銀行や仕入先は安心します。

そのため、短期支払い能力を表示するために流動性配列法を行うことが基本です。

 

一方、固定性配列法という方法もあります。

固定資産や固定負債が上で、流動資産や流動負債が下になる方法もあります。

 

しかし、この場合にも繰延資産は必ず下になります。

流動性だろうが、固定性だろうが、繰延資産は必ず一番下になります。

 

固定性配列法は、長期的な資産、設備関係が多くの比率を占めていたり、重要視されている電力会社やガス会社で多く採用されています。

それから、私の経験上、学校法人なども固定性配列法を採用しています。

 

このあたりを知っておきますと、もちろん簿記検定1級の理論対策にもなりますし、バランスシートを読むときにも役に立ちます。

ぜひ活用なさってください。

 

私はいつもあなたの簿記1級合格、そして簿記1級レベルの学習を心から応援しております。

ここまでご覧いただきまして誠にありがとうございました。

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