単語カードで仕訳を覚えてみよう!

がんばろう日商簿記2級合格、今回は「単語カードで仕訳を覚えてみよう」というテーマでお話をしたいと思います。

これは、日商簿記3級・2級・1級のどの勉強方法にも使えますので、ぜひ、2級に限らず参考になさっていただきたいと思います。

各級ごとの合格に必要な仕訳数は、重要仕訳に絞るならば、3級が40個か50個ぐらい、2級は80から90ぐらい、1級は300ぐらいです。

すべて合わせると500ぐらいになります。
300もあれば1級特有の論点は網羅すると思います。

もう少し範囲を広げても500あるかないかです。
もちろん、すべてを網羅しようと思えば1,000近くはありますが、試験に出ない仕訳もあるので、無視してよいです。
私も会計士時代には、仕訳問題を500か600をしっかりやってから総合問題に取り組んだら、点数が安定しました。

1級については連結も入れて300もやれば基本がしっかり身に付きます。
2級は80から90です。3級は50ぐらいです。

初心者の状態から1級レベルまで含めても500個も無いので、高校や大学受験で英単語を数千個覚えるのに比べたら、はるかに楽なのです。

英単語の感覚で勉強をすればいいのですが、どういうふうに勉強をすればよいのかを、今回は2級の未着品販売を想定して作ってみました。

まだ勉強をしていない方は雰囲気だけ掴んでください。
勉強をした経験のある方は復習のつもりでみてください。

柴山式では、未着品販売については、代表的な仕訳例を3つ覚えれば合格レベルということにしています。
特殊商品売買には委託販売、受託販売、試用販売、割賦販売、委託販売、予約販売などがありますが、そのうち、多くてもせいぜい4つか5つのパターンがわかればいいのです。

特殊商品売買は第一問対策としてやるので、それほど難しくありません。
パターンがしっかりわかってから、肉付けとして背景の知識を徐々に身に付ければいいのです。
最低限の全体的な取引の流れを理解したら、細かいことは気にしないで仕訳を覚えていいです。

荷為替手形が若干関係しますが、それもだいたいでよいです。
全体像が大まかにイメージできれば、あとの細かい所は気にしないで仕訳を覚えてしまいましょう。

未着品販売の話に戻ります。
未着品というのは、海外から船で商品が送られてくるのですが、先に「船荷証券」という商品引換券のようなものがきます。
港などに荷物を取りにいくときに船荷証券が必要になります。

船荷証券が権利証ということで、商品そのものの未着の商品ということで「未着品」という勘定科目を使います。
未着の状態で商品の権利証を手に入れるというのは、商品の仕入の応用形と考えればいいです。

商品は船に乗っているときに、為替手形の引受を一部します。
これを荷為替手形といいます。

手形の支払義務を負って、一部買掛金にして、未着品を仕入れる、というパターンで1つずつ仕訳を作ります。
未着品が到着すると倉庫に入れますが、そのときには未着の状態から商品の仕入に振り替わります。

3つのパターンを考えます。
1つ目は、未着の状態で商品を買う段階。
2つ目は、商品が到着する段階。
3つ目は、商品が到着する前に、引換証を転売するパターンです。
届かないからといって、お客さんからの注文を断っていたらビジネスチャンスを失いますので、商品が未着の状態でも売ることがあります。
これを船荷証券の転売と言って、この場合にも売上が立ちます。

この3つのパターンを単語カードにしてみました。

詳しいことはテキストで勉強をしてください。

1つ目のパターンですが、借方は「未着品100」で、資産が増えます。
単語カードに記入するときは100とかキリのいい数字を適当に書いておけば良いです。
貸方は、そのうち6割が荷為替手形の引受で「支払手形60」、4割が掛けとして「買掛金40」とします。

このパターンさえ覚えておけばいいです。
あとは、この仕訳のパターンに合わせて取引のストーリーを考えればいいのです。

これを何十回も見ていればそのうち覚えます。
電車の中やトイレの中などの空いた時間でこまめに見てください。
1日50枚見て、1か月毎日見れば30回見ることになります。30回も見れば覚えてしまいます。

2つ目は、未着品が到着したパターンです。
未着品という資産が減って、仕入という費用勘定が増えました。
「借方 仕入30」、「貸方 未着品30」という場合は、商品原価30の未着品が到着して倉庫に入ったと思ってください。

3つ目は、到着していないけれど売った場合です。
船荷証券の転売と言いますが、商品はまだ輸送中の船の中にある状態で荷受けの権利を売ることで、これも売上になります。
この場合は2つの仕訳が必要になります。

500の売価で「借方 売掛金500」「貸方 未着品売上500」となります。
原価は350として、未着品という資産が減るので「貸方 未着品350」となります。
3級でやりましたが、仕入勘定というのは決算整理後には売上原価になります。

このような形で、仕訳を覚えてしまえばいいのです。
今回は3枚の単語カードのようなものを作りましたが、これに穴を空けてリングで留めて、毎日見ればいいのです。
私の経験上では、これを20回から30回見ると頭に入ってしまいます。
コマーシャルの曲のように自然に頭に入ってきてしまいます。
自然に頭に入れば楽ですね。

今回は2級の例で紹介しましたが、級に関係なく使えます。
柴山式のミニ例題や例題などを使って、単語カードを作ってみてください。
2級であれば80から90ぐらいの仕訳なので、100円ショップや文房具屋さんなどで単語カードを1つ買ってくれば作ることができます。
単語カードで覚える方法は本当に効果的です。

専門学校時代に柴山ゼミというのがありましたが、そこでこれを実践したら5人中4人受かりました。合格率8割の勉強法です。

単語カードで仕訳を覚える方法をぜひやってみてください。
私はいつもあなたの簿記検定の合格を一生懸命応援しています。
ここまでご覧いただきまして誠にありがとうございました。

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