連結決算の未実現利益の計算例

今回の「頑張ろう日商簿記1級合格」は、連結決算に関するお話です。
先日行われた第147回の日商簿記検定2級でもいよいよ連結会計が本格的に導入されました。

簿記2級の問題は基本的な処理がしっかりできれば対処できたと思います。
現在の上場企業の決算は連結会計が基本ですから、簿記2級の段階で連結をやるのは良いことだと思っています。

税効果に関しては私は簿記2級では本格的に導入しないほうが良いと思っていますが、連結や簡単な外貨建やリースのような日本の中小企業の決算でも使うようなものは入れても良いと思います。

今回は連結の事例を見てみます。
簿記2級の勉強をされている方も連結について関心を持つようになると思うので、ちょうどいいと思います。

今日の新聞に、ヤマハが海外子会社の未実現利益が縮小するので利益がアップするという記事が出ていました。

海外子会社の外貨ベースで持っている在庫は親からの含み益が入っています。
その含み益が外貨で出ています。
円安だと金額が膨らみます。

例えば100ドルに対して100円なら1万円だけれども、100ドルに対して102円になると12,000円というふうに上がってしまいます。

円安になると円ベースで上がってしまいますので、円安になると未実現利益という控除すべきものが増えてしまうのです。

しかし、円高になれば未実現のものが減りますので利益が上がります。
円安・円高の関係で海外の未実現利益が影響を受けるという話が新聞に出ていました。

そこで私は今朝のメールマガジンでそのことを書きました。
すごく良い話だったので簡単な事例でここでもご紹介しようと思っています。

これはしっかり考えるととても勉強になる話なので、その理解の助けになるような連結決算上の在庫の取り扱いについて簡単な事例をお話します。
これは簿記1級の勉強にも役に立ちます。

事例ですが、Y社は商品8万円を仕入れて、子会社S社に10万円で売りました。
期末にS社の在庫になった。

子会社が外部に売れば利益が実現するのですが、期末にS社の在庫になりました。
つまり、連結グループなので支店みたいなものです。

子会社という独立した法人格ですが、連結になるとさらに範囲を広げるので、“YグループのS社事業所”というふうに考えます。

S社の倉庫にたまたま置いてあったY社の連結上の在庫なのです。
連結上、Y社の在庫がS社という1つの出先機関の倉庫にたまたま置いてあったと考えます。

8万円で仕入れたのだから、8万円で表示すべきだということがポイントです。
あとはそのゴールを目指して会計処理を合わせれば良いのです。

Y社が仕入をしたときは(借方)仕入 8万(貸方)現金 8万となります。
そしてこれを内部で売った場合は、(借方)現金 10万(貸方)売上 10万とします。

なぜかというと、連結上は内部に売ったことになりますが、個別決算上は外部に売ったことになるからです。

そしてS社が商品を仕入れたときは(借方)商品 10万(貸方)現金10万となります。
内部取引なので、このときS社はY社に対して現金を払っています。

連結グループであるS社からY社への資金移動に過ぎません。
外部の投資家からすれば、Yグループの中での取引なのでS社からY社に現金が行こうが行くまいがどうでもいい話なのです。

しかしS社はY社にお金を払っているので、S社の単独の株主であれば気にすべき話です。
S社個別では現金を払ったことは重要ですが、Y社グループの視点で見るとS社という出先機関からY社に現金が移動しただけです。

商品もY社の倉庫からS社の倉庫に内部移動しただけと考えます。
連結上、内部取引は無視します。

商品10万は連結という広い視点で見ると、8万で仕入れたものを振り替えたときに10万に水増ししただけです。

この差額の2万は未実現利益と言います。
個別では10万で良いのですが、連結上ではそのうち2万が未実現利益となります。

S社の個別バランスシートでは商品を10で計上していますが、連結上合算する過程で2の未実現利益を控除します。

10万の中にはY社が計上した内部の未実現利益2万を含んでいますので、10万から2万を引いて商品は8万となります。

個別は10万で良いのですが、連結のときにはY社が乗せた内部の未実現利益2を控除してY社の仕入ベースに直します。

商品はたまたまS社に保管してあるだけで、Y社の仕入ベースでいくのが連結なのです。
このイメージを持ってください。

未実現利益は分かれば簡単です。
本支店会計の内部利益も連結上の未実現利益も同じ発想なので、ぜひ知っておいてください。

売った先の子会社や支店が販売しないで持っていると、本店や親会社が計上した内部の未実現利益が含まれていますので、それを控除して全体として表示するのです。

これが分かれば成果連結も分かります。
ぜひ簿記2級を勉強されている方も参考になさってください。

連結に対する理解が深まると、会計に関する興味も湧きます。
連結決算は面白いので、ぜひ興味を持って簿記を楽しく学んでください。

私はいつもあなたの簿記検定1級の合格と簿記の学習を心から応援しております。
ここまでご覧頂きまして誠にありがとうございました。

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