社債の発行と期末評価

(1)普通社債の発行形態

普通社債の発行形態には、下記の3種類がある。

①平価(へいか)発行:額面金額@100円=払込金額@100円
②割引(わりびき)発行:額面金額@100円>払込金額@97円
③打歩(うちぶ)発行:額面金額@100円<払込金額@105円

(2)割引発行の会計処理

社債を発行した際に通常行われる会計処理を下記にまとめておく。
(発行日)社債の計上と社債発行費の支払い
(利払日)社債利息の支払い
(決算日)未払利息の計上、償却原価法の適用、社債発行費の償却

(3)償却原価法の処理

社債を額面金額より低い価額又は高い価額で発行した場合、額面金額と払込金額の差額が金利調整差額と認められるときには、償却原価法を適用しなければならない。計算方法には、定額法と利息法がある。

1償却原価法(定額法)の処理(※決算整理事項)

ポイント 額面総額と発行額の差額を、償還期間にわたって償却する。
当期の償却額=(額面総額-発行額)×(当期の月数/償還月数)

2償却原価法(利息法)の処理

ポイント 「社債利息=償却直前における社債の帳簿価額×実効利子率」になるように、利払い日ごとに社債の帳簿価額を加減する。

償却額=直前の社債帳簿価額×実効利子率-クーポン(約定)利息


(設例)当社は、当期首に社債200,000千円を額面100円につき98円で発行した。満期日は×4年3月31日、利払日は9月末と3月末の年2回、クーポン利子率は年2.4%、実効利子率は年3.1%である。発行価額と額面金額との差額は金利の調整であると認められるため、償却原価法(利息法)を適用する。当期は×2年3月31日を決算日とする1年である。
計算上端数が生じる場合には、計算の都度千円未満四捨五入すること。

・社債の発行

(借)現金預金196,000(貸)社債196,000

※200,000×98/100=196,000

<×1年9月30日(利払日)>
・クーポン利息の支払

(借)社債利息2,400(貸)現金預金2,400

※200,000×2.4%(クーポン利子率)×6/12=2,400 

・償却原価法(利息法)

(借)社債利息638(貸)社債638

※196,000×3.1%(実効利子率)×6/12=3,038(社債利息総額)
3,038-2,400=638

・×1年9月30日時点でB/Sに計上されている社債の金額:196,638

・社債の償却額(利息法)

年月日①期首
帳簿価額
社債利息総額
クーポン利息支払額
②金利調整差額償却額
期末帳簿価額(①+②)
×1年
4月1日
196,000196,000
×1年
9月30日
196,0003,0382,400638196,638
×2年
3月31日
196,6383,0482,400648197,286
×2年
9月30日
197,2863,0582,400658197,944
×3年
3月31日
197,9443,0682,400668198,612
×3年
9月30日
198,6123,0782,400678199,290
×4年
3月31日
199,2903,1102,400710200,000

※6ヵ月のクーポン利子率:0.024×6/12ヵ月=0.012
※6ヵ月の実効利子率  :0.031×6/12ヵ月=0.0155