がんばろう日商簿記1級合格、今回は「連結会計の重要テーマを確認しておこう」というテーマでお話をしたいと思います。

簿記1級

日商簿記検定1級の受験生の方が最も苦労する領域の1つは連結会計です。


2015年6月14日に行われる第140回試験まであと1週間足らずですが、頑張ってください。

簿記1級の受験に必要な重要テーマの主なものを挙げますので、タイトルを見て、これから取り上げるテーマに関する例題がある程度思い浮かんで、ある程度出来るという感触を手に入れて本番に臨むように意識していただくと、連結の苦手意識が随分軽くなると思います。

日商簿記検定1級に連結決算の知識は欠かせません。
連結会計は上場企業の決算において原則ですから、これは外せません。

しっかりと知識を身に付けて欲しいですが、全てを隅から隅までやる必要はありません。
これだけ押さえておけば戦えるという、基本的なポイントを挙げていきたいと思います。

題して「連結会計の重要テーマ」。
全部で番号を7つ振って、それに連結キャッシュフローを補足して8つのタイトルがあります。

1番目は最も大事で、入門者の方はまずはここがしっかりとできなければいけないので、理解していただきたいです。

非支配株主持分がないケースで、100パーセント子会社を取得、あるいは設立しました。
当然利益剰余金がある状態で株を買うので、通常はのれんが発生します。

過去には在外子会社も出たことがありますので、過去問を見て欲しいです。
厳密にいうとタイトルは9つになるかもしれませんが、その他の包括利益に入れてもいいと思うので、7+1で8つになります。

のれんがないのは通常は設立です。
100パーセント子会社で設立するのなら、のれんはないので、設立のほうが簡単です。

設立するケースというのはだいたいのれんがないですが、部分所有の場合はのれんがあるケースと無いケースがあります。

たとえば持分70パーセントで設立した場合は7割だけ出資して、通常はのれんがないケースです。

だから通常は設立する場合のれんが無いはずなのです。

設立後は、通常は株式の時価と純資産の金額がずれてくるはずなので、のれんがあります。
のれんがないのはたまたまだと思ってください。

子会社を設立したケースというのは通常はのれんがないケースだと思うので、そういったこともイメージしてください。
このパターンを知っておけば何とかなります。

このパターンをある程度網羅しているのが柴山式のテキストの例題です。
例題を一通りやるとテーマについてある程度の処理はできるはずなので、柴山式の受講生の方はどの例題なのかということを意識しながら見て欲しいです。

例題でこれがあったかどうかは覚えていませんが、これに近いことは説明しているので、柴山式の講義や本文のなかも参考にして欲しいですが、あまりにも簡単なので出してないかもしれないです。

ただ、言葉では説明しているはずです。
純資産額よりも高い金額で買えばプレミアムとしてのれんになるということです。

部分所有子会社とは何かというと、70パーセント80パーセントで取得した場合です。
のれんがあって、なおかつ非支配株主持分というのが通常です。

本試験レベルでいうと、このあたりがスタートラインです。
今度は評価差額で、通常、土地などが出ると思います。

税効果なしのケースが最近多かったような気がしますが、税効果ありのケースもあります。
ただし大したことはありません。

100パーセント子会社でのれんなし・のれんあり。

部分所有子会社ものれんなし・のれんありの両方ありますが、通常はのれんなしでしょう。

その場合、今は非支配株主持分というので、少数株主持分ではありません。
それから評価差額が出てきます。

最後に相殺されますが、税効果なし・ありのケースでのれんが変わってきますので注意してください。

それから、段階取得による差益が出てきます。
今回の連結改正基準に影響を受けるのが追加取得と持分売却です。
これは、差額が資本剰余金で処理されるので注意しましょう。

持分売却に関しては、以前の基準で勉強した方はのれんの取り崩しがありましたが、今回は取り崩しがないということも注意してください。

資本と設備の相殺消去にはこの6つのテーマがあることを意識しながら、自分はどこが弱いのかということを直前にもう一度チェックしてください。
過去にも時々出題されているので、例題や過去問を一通りやってください。

2番目のテーマは支配獲得後の連結仕訳で、これも苦手な方が多いです。
開始仕訳で大事なのは、利益剰余金の期首残高です。

前期までの損益の修正は当期のP/Lに反映できませんから利益剰余金の期首残高になるということです。

当期純利益を非支配株主持分の利益に振り替えます。
のれんの償却が先にきて当期純利益の非支配株主持分に振り替えるというところは簡単です。

(4)の受取配当金ですが、連結決算の勉強をはじめて間もない方から、「受取配当金の相殺がわからなくなってしまう」という質問が時々ありますが、慣れてくればできるようになります。

これは仕訳の形になっています。
「借方 受取配当金」これは親会社のPLです。
「貸方 非支配株主持分」これは配当で利益剰余金のプラスです。

株主資本等変動計算書でいくと、配当による利益剰余金の減少がプラスになります。
今回は利益剰余金でやりましたが、資本剰余金でやるケースもあります。

資本剰余金から配当をした場合は子会社株式を取り崩すので、ここは子会社株式になります。

今まで通りだと利益剰余金が出題されるとは思いますが、資本剰余金からの配当が出た場合は借方は受取配当金ではなくて、個別決算の資本剰余金からの配当を受け取った場合の処理を思い出してください。

これはメモにはしていませんが、口頭で補足しておきます。
あとは、非支配株主持分の調整もあります。

3番は内部取引の相殺消去ですが、これは昔の成果連結という領域ですが、売上高と当期仕入高の相殺処理、売掛金と買掛金、貸付金と借入金、未払金と未収金、昔出題されたものだと未払費用と未収収益の相殺消去があり得ます。

それと、貸倒引当金の修正は昔はなかったのですけど、最近はテキストにも出ているのでありえます。

あとは親会社の発行した手形を子会社が裏書譲渡したり、手形の割引をしたなどです。
手形の割引をすると手形借入金になります。

通常は短期借入金になることが多いと思いますが、そういうこともありました。
未達取引も昔はよく出ていましたが、柴山式の例題に一応あるので、これもできるようになってください。

4番の未実現利益の控除は苦手な人が多いので、まずは税効果なしでやりましょう。
棚卸資産はアップストリームとダウンストリームがあります。

これも例外があって大変だと思いますが1個ずつ丁寧に潰していけばいいです。
合格者は必ず潰せていますから大丈夫です。

よく出るのは土地です。
土地は減価償却がないので土地売却益を相殺するだけで簡単です。

備品や建物などの減価償却する資産はあとで償却費の調整があるということです。
よく「実現した」という言葉が出て来ますがこの言葉は気にしなくていいです。
未実現利益の控除に関しても柴山式の例題を中心に勉強していただければ大丈夫です。

5番目は連結上の主な税効果会計です。
評価差額金に税効果を適用する場合と適用しない場合でのれんが変わってくることに注意してください。

貸倒引当金の設定の調整に関しても税効果が関係することがあります。
未実現利益の調整に関してもアップストリーム・ダウンストリームどちらも税効果が関係することがあります。

ここは暗記でも構いません。
それから、その他の包括利益は最近よく出てくるので、過去問を中心に勉強してください。

柴山式も包括利益の2計算書方式とか1計算書方式という表示については本文で触れています。

柴山式のテキストの本文と、簡単な計算例と過去問を中心に見ていただければその他の包括利益には充分対応できると思います。

連結貸借対照表ではその他の包括利益累計額といいます。
これは個別決算の貸借対照表ならば、純資産の部の評価換算差額等に相当します。
これはかつて会計学で出たことがあります。

内容は、その他有価証券評価差額金、繰延ヘッジ損益、それに加えて連結の場合は為替換算調整勘定、これに関連して在外子会社の換算があって決算日レート法でいきます。

損益項目は期中平均レートでやるとか、いろいろあります。
参考までに、のれんは当期末の決算日レートで換算するので、為替換算調整勘定、のれんからも出ます。

そこまでフォローしなくても合否には致命的な影響はないと思います。
テキストの計算例の在外子会社の換算ができれば大丈夫です。

私が出題されてもおかしくないと思っている新しい論点は、退職給付に係る調整額です。
個別決算では退職給付引当金という言い方をしますが、連結上は退職給付に係る負債という名前に変わります。

過去勤務費用とか数理差異に関する債務部分というのは退職給付に係る負債に振り替わります。

数理差異とか過去勤務費用に関する部分はその他包括利益になるので連結では注意してください。
柴山式では改正論点の補助レジュメで対応しています。

7番の持分法はずっと出ていません。
苦手な人が多いですが、柴山式の例題をしっかりやっていただければある程度対応できます。

連結キャッシュフローも過去に1回出ていますが、連結会社相互間のキャッシュフローの相殺消去に関する細かいところは会計学で出る可能性もありますので、柴山式の計算例ないし例題で対応していますので、そちらを参考にしてください。

あとは、連結精算表というのが出てきます。
昔は連結精算表をやたら書かせていましたが、最近は書かせません。

出る可能性は低いとは思いますが、全くの無防備なのも怖いので、柴山式のテキストをコピーして、連結精算表を2回ぐらいは自分で書き写す練習をしてみてください。

論点としては7つで連結キャッシュフローと連結精算表に関して意識していただければ良いと思うので、ぜひ参考になさってください。

もう1度簡単に読み上げると、連結会計に関しては、
1.投資と資本の相殺消去。
(1)100パーセント子会社(のれんなし・のれんあり)。
(2)部分所有子会社(非支配株主持分という言葉が連結改正論点)。
(3)評価差額(税効果なし・ありのケース)
(4)段階取得。
(5)追加取得(差額は資本剰余金、新しい論点)
(6)持分売却(差額は資本剰余金、のれんの取り崩しは無し)

2.支配獲得後の連結仕訳。
(1)開始仕訳。
(2)当期純利益から非支配株主持分への振替
(3)のれん償却
(4)受取配当金の調整・非支配株主持分の調整(利益剰余金の場合は受取配当金、資本剰余金の場合は子会社株式)

3.内部取引の相殺。
売上と仕入あるいは売上原価、売掛金と買掛金、あるいは貸倒引当金の調整、手形、未達取引の処理も一応テキストをやる。

4.未実現利益の控除(棚卸資産、アップストリーム・ダウンストリーム、土地も備品もアップダウンあり、土地は非償却資産なので売却益を相殺すればOK、備品・建物は減価償却の調整あり)。

5.連結上の主な税効果会計。
(1)評価差額
(2)貸倒引当金の調整
(3)未実現利益の調整

6.その他の包括利益として主なもの。
貸借対照表上は「その他の包括利益累計額」に名称が変わります。
(1)その他有価証券評価差額金(個別・連結共通論点)
(2)繰延ヘッジ損益(個別・連結共通論点)
(3)為替換算調整勘定(在外子会社の円換算、連結特有論点)
(4)退職給付に係る調整額(連結特有論点)

7.持分法。
柴山式の例題を中心に学習すれば対応可能。
番外編1.連結キャッシュフロー。
過去に連結会社相互間のキャッシュフローの相殺消去に関する知識が問われた程度。

番外編2.連結精算表。
テキストの総合問題について2・3個書く練習をして対応。

以上、いろいろお話しましたが、連結の論点はこれらのテーマに集約されます。
やることはたくさんありますが、この知識をマスターすれば、あなたの今後のキャリアや人生に役に立つことが多いです。

決算の意味がわかるようになります。
いろいろな意味であなたの知識を助けると思うので、ぜひこの機会に連結のテーマを一通り確認してみてください。

私はいつもあなたの簿記1級合格を心から応援しています。
ここまでご覧いただきまして誠にありがとうございました。

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