がんばろう日商簿記1級合格、今回は「第140回簿記1級会計学の講評」というテーマでお話をしてみたいと思います。

簿記1級

受験された方、おつかれさまでした。
工業簿記と会計学は目新しいと思われる論点がありました。

今回の工業簿記は本社工場会計という体裁で出ていますが、実は本社工場会計特有の論点は1割もなくて、9割は勘定分析と費目別計算の知識で対応できる内容でした。

そこに気付けば15点は取れると思います。
原価計算は満点近くまで狙える問題なので、できれば20点ぐらいは取って欲しいと思います。工簿・原計で合計35点ぐらいは取って欲しいです。

今日お話する会計学ですが、連結キャッシュフロー計算書と見た瞬間に、やってないと思って怖じ気づいたら負けです。

「連結」という名前が付いていますが、これは普通のキャッシュフロー計算書です。
テキストの257ページから265ページにある、何の変哲もないキャッシュフロー計算書の直接法です。

営業収入は受取手数料が入っているのでその部分の解釈に悩むのと、非支配株主への配当金支払いの2つは落としても構いません。

合計3つしか落とせませんが、配点は14点と予想しているので、3つ落としても8割ぐらいは取れるのです。

ただ、営業収入に関しては、利息及び配当金の受取を2,300と決めておけば営業収入しか入れるところがないと判断できますが、気付かなければしようがないです。

経常的な収入と考えて、営業収入は受取手数料を入れて862,800となります。
上場企業はキャッシュフロー計算書を直接法ではなく間接法で作ります。

そもそも営業収入と利息及び配当金の受取しかないというこのフォームだとどちらに入れるか厳しいですよね。

消去法でも解答可能なので、その場合は満点も狙えます。

話を戻しますと、第一問の理論問題5つは書かせる問題なので、書き間違いがあると得点できない可能性があるので、こういうときは若干点数が落ちます。

たとえば未認識過去勤務費用は改正論点で、未認識過去勤務「債務」と書いたら当然不正解ですし、「未認識」が抜けていても不正解だと思いますので結構ハードルが高いと思います。

ウは間違えてもいいですが、アとオは出来なければまずいと思います。
アの為替換算調整勘定はテキストの256ページにあります。

私は講義でも強調していますし、その他包括利益として考えたときにも大事なので出来て欲しいという気がします。

最近のトピックでもあるので、ここができない場合はテキストの読み込みや例題の勉強が甘いと思ってください。
オの後発事象もできて欲しいです。

イの共通支配下については、テキストの185ページに載っていますし、講義でも少し触れています。

支配が前後で一定しているという基準的な言い方はしていなくて、親会社が企業結合の前と後で同じとか、支配関係が同じとか、グループが同じだとは言っていますが、問題文から同じ親会社だということに気付けば解けると思います。

テキスト185ページ目に、共同支配企業の形成と共通支配下の取引というのがあるので、どちらか悩むかもしれません。
これはできなくても良いと思います。

エの資本連結は講義でも少し触れていますし、テキストにも出ていますが、思いつかなくてもしようがないと思います。

第一問はアとオが確実に解答できているかどうかがポイントになります。
第2問はテキスト120ページから122ページに記載されている分配可能額です。

設問1は、その他利益剰余金は任意積立金と繰越利益剰余金であると気付けば解答できると思います。

問題文には「会社法上の剰余金」という記載があるので、「会社法上」という言葉に引きずられてしまいがちですが気にせずにテキスト通りやればいいです。

設問2と設問3はそれほど捻りがない問題ですが、1つだけ注意する点はその他有価証券評価差額金が借方になっていることです。

借方になっている場合に引くということはテキストの120ページで説明はしていますが、気をつけて欲しいと思います。

例題にその知識をプラスすれば分かりますのでテキストを注意深く読んでいただきたいと思います。

その他有価証券評価差額金はプラスの場合は入れず、マイナスの場合は引くということは計算式のところで触れていますので、ここは出来て欲しいです。
ここは4~6点が目標です。

第3問はキャッシュフロー計算書です。
「支出」や「営業支出」などの記入するところは、全くの空欄はまずいかもしれないですが、若干違っていても厳しい採点はしないと個人的に思っています。

「支出」を「支出額」と書く程度の違いならば見逃してくれると思っています。
その他の営業支出とか、このあたりはテキスト通りですが、意味が通じればある程度は大らかに採点してくれるのではないかと私は期待しています。

「利息及び配当金の受取額」というところも、今回は利息がないので「配当金の受取」と書いても正解になると私は思っています。
そのように多少文言が違っていても大目に見てくれると思っています。

今回は数字をしっかり合わせてください。

これが今回のポイントです。

7が法人税等の支払、8・9が有形固定資産の取得による支出、10が短期借入による収入。
このへんはある程度意味が通じればそれほど厳しく採点されないと個人的に思います。

それよりも、数字が合っていることのほうが大事です。11番の配当金の支払いは出来て欲しいです。

12番は連結の処理がわかればできるかもしれないですが、できなくても構いませんので△にしました。
△というのは、できなくても構わないという印です。

途中で1つ間違えてしまうと現金同等物の増加25,500もできないので、ここもできなくても構いません。

ただし、期首残高6,500は写すだけですから、これはできないとまずいです。
14個のうち11個は正解できれば良いです。

今回、私はこんな感じでメモを作ってサイトにもアップしてありますので、YouTubeまたはアメブロからダウンロードして活用してください。

ここに書いてあることがわかればキャッシュフローは基本的にOKだというコンセプトです。

貸方・借方で考えてください。
「貸方 売上870,000」は現金の増加原因です。

「借方 売掛金146,800」というのは、870,000のうち146,800はお金が入らないから、現金のマイナス項目と考えます。

期末の時点では売掛金は借方ですが、期首は「貸方 売掛金110,000」とします。
B/S・P/Lの期末残高を考えて貸方・借方の仕訳をイメージします。

受取手数料は貸方ですよね。
受取手数料を営業収入に含めると考えた場合、29,200の期首の未収金は回収しますから貸方が期首の未収金2,800になります。

借方は期末の未収金です。
気をつけて欲しいのは、期首の売掛金110,000のうち、すべては現金入金ではなくて貸引の200が借方にあります。

この分だけ現金収入が減ります。
これを引くのを忘れないように注意してください。

もし、863,000と書いた人は貸引の分を引いてないということです。
ここは数字を出すのが難しいところなので、862,800は正解しなくてもしようがないと思います。

同じように、仕入支出はP/Lは借方は売上原価で、貸方は現金のマイナス611,000になるところが、期末の買掛金が103,200あります。
この分だけ支出の節約です。

仕入・繰商で期首の商品は貸方が繰越商品なので35,000。現金の支出が節約されるということです。

期末商品の借方23,000の分だけ現金支払が追加されます。
借方、買掛金期首65,200、これは現金の支出です。
したがって仕入の支出は561,000。

同じように給料、借方126,000。
期首の未払いも資金の流出ですから、借方は期首の未払いです。

期末の未払いは現金の節約4,500貸方。
差し引き人件費支出が125,000。
その他営業費用は一部、減価償却があります。

今回は固定資産の売却がないので、期首の減価償却の利益額と期末の減価償却の利益額の差し引きなのです。

37,250から29,000を引くと8,250になって、83,550から8,250を引くと75,300になりますので、これも答えて欲しいです。

有価証券の売却があると面倒なのですが、今回はそれがないので楽なのです。
個別キャッシュフロー計算書としてみると、営業収入以外は難易度はそれほど高くありません。

あとは受取配当金、貸方2,500はPLです。
借方、現金のところが期末の未収があるので500が出て行きます、現金のマイナスです、入りません。

2,500入ったと考えて500は未収で返したと考えます。
だから500は現金のマイナスです。

未収の期首は入ります。貸方は未収収益300、借方は現金です。
期首の資産は当期の現金増加要因で期末の資産がマイナス要因です。
ということで配当金は2,300です。

支払利息も同じく、借方は支払利息2,000です。
期末の未払いは現金の節約なので貸方200です。

差し引き2,200が利息の支払いです。
キャッシュフローは試算表形式でつくるとわかりやすいです。

今度は法人税で、これはできないとまずいです。
損益計算書、借方34,800。

期末の未払いは貸方34,800でプラマイゼロです。
期首の未払いは25,800だけ払ったということで、ここは簡単です。

次は投資と財務です。
有価証券、期末が53,000、期首は43,000なので10,000増えています。

売却があると売却損益が面倒なのですが、今回は売却がないので簡単です。
13,000だけ書けばいいので楽勝です。

今回、建物は151,000で同じなので、建物の取得も売却もありません。
備品だけ取得があります。

期末31,000、期首が25,000、差し引き6,000が有形固定資産の取得による支出です。
短期借入による収入が27,000と23,000の差額で4,000です。

配当金が、マイナスで34,500です。
貸方は支払額34,500です。

一つ注意したいのは、子会社の配当が4,000ですが、そのうち80パーセント、下にメモが書いてありますが、貸方、考え方です。

借方、利益剰余金、子会社、4,000、貸方は親会社に対して払った現金は3,200で80パーセント、20パーセントは4,000×0.2で800、これが非支配株主で、これはグループ外の株主に800を払っているので、グループ外の流出は800しかありません。

3200は親会社に行っているので、貸方現金3,200といっても、親会社P社は、P社である親会社の仕訳を考えて、借方現金3,200、貸方は受取配当金です。

受取配当金と子会社の利益剰余金のマイナスをひっくり返します、連結上。
内部取引だから3,200は社外流出しません。

連結キャッシュフローというのは社外流出です。
本支店会計における本店と支店の取引は無視しますよね?

グループ外に対する支払しか考えないので、本支店会計の応用と考えれば800と気付けばいいです。
今回は気付かなくてもいいです。

すべてまとめると、左側全部、丸1の営業収入862,800と、丸5の配当金の収入2,300と、丸10の短期借入による収入4,000、これをすべて足すと869,100です。

支出も、丸2と丸3と丸4と丸6と丸7と丸8と丸9と丸11と丸12をぜんぶ足すと右側の支払が843,600、差し引きすると25,500と出ます。
この図ですべてわかりますので、参考になさってください。

ここからは参考程度の補足ですが、利益剰余金勘定、連結上のB/Sを分析すると、期首54,530、期末が61,980ですが、資料からわかるのは、連結損益計算書43,150をいったん貸方に足します。

今度は配当で34,500を親会社から払っています。
子会社から非支配株主への配当が800あります。

最後に非支配株主持分への振り替えが400あるので、差し引き61,980になります。
非支配株主持分の400を振り替えると、連結貸借対照表の非支配株主持分は期首が7,870、期末は8,270、差し引き400で受け渡しが合うのです。

この勘定分析も自分なりに考えてみればいいと思います。
このようにプラスアルファで応用力を養います。

サーバーにアップしてあるキャッシュフローの図はわかりやすいので参考にして取り組んでみてください。

これでキャッシュフロー計算書の基本的な仕組みはばっちりです。
ぜひ頑張ってください。

私はいつもあなたの簿記1級合格を応援しています。
ここまでご覧いただきまして誠にありがとうございました。

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