がんばろう日商簿記2級合格、今回は「未渡小切手を柴山式総勘定元帳で解説してみる」というテーマでお話したいと思います。

簿記2級

柴山式2級簿記講座では、冒頭で現金・預金関係のテーマを扱いますが、そのなかの1つである未渡小切手の論点を基に、柴山式総勘定元帳の使い方について実例で理解を深めていただければと思います。

たとえばこういう取引例です。
決算日を3月31日として、この日に修繕費用の代金10,000円を支払うために小切手を用意します。

小切手用紙に金額を書いて署名捺印をして切り取って用意することを、受験簿記上、小切手の振出といいます。

簿記3級でいう小切手の振出は、「相手に渡した」というイメージがありますが、今回の場合は、まだ相手に渡していません。
これが簿記2級での未渡小切手の論点です。

未渡小切手というのは、小切手を書いて相手に渡す直前の段階で仕訳をしたと思ってください。
このへんの機微がわかると良いです。

これは税理士の簿記論でも出るし、会計士レベルで出てもおかしくない論点で、日商簿記検定1級でもよく出ます。

上級レベルに通じるすごく典型的な論点なので、これは知っておいて欲しいです。
これは柴山式総勘定元帳なのですが、「貸方 当座預金10,000」「借方 修繕費10,000」と既に仕訳していることが前提です。

ここで柴山式の総勘定元帳の説明をしますと、十字を書いて左上が資産グループのTの字、右上が負債グループのTの字、今回未払金です。

資産、負債、純資産、収益、費用に応じてそれぞれ部屋があって、その部屋と同じグループに属する勘定科目を集めます。

純資産グループは簿記3級だと資本金のみで、簿記2級になるとこの他に資本準備金、利益準備金、繰越利益剰余金、任意積立金が入ります。

柴山式総勘定元帳ができた一つの理由は、簿記2級でいうなら純資産グループがわかりづらいので、単なるグループ間の勘定科目の移動だということを理解してもらうためです。

簿記3級でも力を発揮しますが、簿記2級でこそ力を発揮します。
純資産グループの複雑なところがすっきりわかりますし、工業簿記・原価計算でも役に立ちます。

右の真ん中が純資産グループ、十字の右上のところにもう1本線を引いて上が負債、下が純資産。

右下が収益グループで、売上とか受取手数料、受取利息などです。
左下が費用グループで、仕入勘定とか修繕費とか交通費があります。

このそれぞれのグループに勘定記入します。
柴山式の場合は最初からT字勘定を徹底的にやるので、総合問題、あるいは工業簿記が得意になりやすいのです。

小切手の話に戻します。
小切手を用意したことで振り出しています。

深く考えなければ小切手を振り出したらたら相手に渡ったと思えば良いのですが、相手に渡らない段階もあるということを簿記2級以上では覚えてください。

振り出したといっても相手に渡っているとは限らないのです。
今回は渡っていません。

小切手を用意したら仕訳は「貸方 当座預金10,000」「借方 修繕費10,000」と、いったん減らすのが前提です。

この前提があることを踏まえておかないと未渡小切手は理解できません。
いったん減らしたけれど相手に渡ってないのでまだ減りようがないという状態です。

その日に渡せなかった場合の決算手続きをどうするかというと、減らしたけれど相手に渡ってないので、当然、相手は銀行に取り立てにまわすことができません。
したがって、当座預金を減らしたことは間違いになってしまいます。

普通は、その日に当座預金勘定を減らしても、その日のうちに相手に渡すので、当日中に引き落とされてもおかしくはないということで、小切手を用意して相手に渡す直前の段階で当座預金を減らすのです。

しかし、たまたま決算日に金庫の中を開けてみたら相手に渡すつもりだった1万円の修繕費の小切手が入っていて、相手に渡っていなかった場合、当座預金勘定は減りようがないです。

とうことは当座預金勘定のマイナスは間違いなので、これを取り消します。
マイナスの取り消しなので、仕訳は「借方 当座預金10,000」「貸方 未払金10,000」になります。

未払金勘定を使う理由ですが、たとえばこれが費用ではなく買掛金であれば買掛金勘定を減らすことはできますが、費用の支払の場合はすでに費用は発生しているので取り消しができません。

もし修繕費を減らしてしまったら、今期の修繕費がゼロになってしまいおかしなことになります。

修繕というサービスの消費自体は終わっていて、お金だけ払っていない状態、すなわち未払いなので、今回は未払金を使うということになります。

当座預金は3月31日にいったん10,000減らしましたが、小切手はまだ渡していないので、決算手続きで「借方 当座預金10,000」と修正し、これによってプラスマイナスゼロとなったため当座預金は減っていません。

普通は99パーセント渡しているものですが、たまたま決算日近くに金庫に入っていて、相手に渡っていないケースもごく稀にあるので、その場合は当座預金を足し戻してゼロにします。

しかし修繕費は取り消すわけにはいかず、「貸方 修繕費10,000」とはできないので、「借方 当座預金10,000」「貸方 未払金10,000」とします。

当座預金はプラスマイナスゼロで無視して、最後に何が残ったかというと、費用グループの借方修繕費10,000は決算日段階では一時的に未払いの状態なので、財務諸表上は貸借対照表に未払金に10,000がきて、損益計算書に修繕費10,000というように、費用と未払いの関係に置き換わりました。

このようにストーリーを作って立体的に理解できるのが柴山式です。

資産のマイナスと費用の関係だったのが、負債の発生と費用の関係に置き変わりました。
これが未渡小切手の本質です。

柴山式の勉強をされている方は、仕訳だけではなく、柴山式総勘定元帳を丁寧に、ストーリーを追いかけながら勉強してみると理解が進みます。

インプットと理解を同時に進めて勉強するのが柴山式の簿記2級講座の特徴です。
工業簿記に役に立つので、ぜひ参考になさってください。

私はいつもあなたの簿記2級合格を心から応援しています。
ここまでご覧いただきまして誠にありがとうございました。

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