一つ一つの仕訳に制限時間を設けよう!

がんばろう日商簿記1級合格、今回は「一つ一つの仕訳に制限時間を設ける」という、普段の勉強法についてアドバイスをしたいと思います。

本試験では、商業簿記では50分から55分ぐらいで30から40の処理を迅速に行います。
1個1分あるかないか、場合によっては1分もありません。
そうすると、悩んでる暇がなくなります。

30以上の連続した処理を1個1分以内でやるというのは結構大変です。
普段この練習をやっていないから本番の商業簿記で点数が伸びないという人がとても多いのです。

本番を想定しないで普段の練習を行っていて、仕訳や例題の練習を漫然とやっていると踏み込みが甘くなってしまいます。
これが商業簿記で点数が伸びない1つの理由なのですが、普段の1個1個の仕訳をするときに制限時間を決めていますか?

私は、3級は1個の仕訳を40秒、2級でも第一問の5つの仕訳を1個2分で行うように言っていますが、1級も同じです。
簡単な仕訳ならば30秒でも良いのですが、1分単位、あるいは30秒単位で、仕訳ごとに制限時間を決めてやってみてください。

その積み重ねをすると、本試験で時間内に終えられるようになります。
1問あたり最大40の処理があるとすると、1個1分かけていたら40分かかってしまいます。
問題文を読む時間を入れたらそれで45分から50分かかってしまい、解答を書く時間がなくなってしまいます。

ですので、スピードを意識して、1分1秒でも処理にかかる時間を短くします。
1級の勉強は早いうちから練習をするときに制限時間を設けてください。
私は授業の中で、問題ごとに制限時間を設けていますが、あれはとても大事なことなのです。
たとえば、1個の仕訳は30秒単位で時間を区切って、その仕訳は30秒で切るべき仕訳なのか、1分で切るべき仕訳なのか、どれぐらいの時間内で処理するのかを考えます。

30秒で仕訳を切るためには、現金や売掛金などとは書いている時間がもったいないので、現金はカタカナの「ゲ」、当座預金は「丸ト」とか、売掛金はひらがなの「う」と「×」などと書いて、普段の下書きも時間を意識して、略語を使いながら1秒でも早く仕訳ができるように、シャープに練習をしてください。

普段の練習以上のことは本番ではできません。

もう1度言います。

普段の練習以上のことは本番ではできません。
「火事場の馬鹿力」などというのは、幻想です。
そのようなものに頼っているうちは一生合格できません。

普段の力が100とするならば、本番で出せるのはせいぜい80パーセント程度、場合によっては50か60しか出せないこともあります。
なので、100の練習の80パーセントぐらいでも7割が取れるぐらいの練習をするしかありません。

ですので、普段は時間をかけずに、シャープに練習をする必要があるのです。
たとえば、本番では1個1分でやる仕訳であれば、普段の練習では45秒ぐらいでやってください。

本番の8掛けか7掛け、場合によっては6掛けぐらいに圧縮して、厳しい条件でシャープに練習して、1回で解答できるようにしてください。
書き直しはNGです。
書き直しをしていたら制限時間内に終わりません。

普段から書き直す癖があるから、本番では書き直しができなくなって焦るのです。
消しゴムは使わないようにしてください。
普段の練習では、間違えたら消しゴムで消すのではなく二重線を引いて、間違えたことを戒めてください。
スピードを重視して、書き間違いをしないように1回で正しい処理ができるように練習をしてください。

これが本当の例題のマスター法なのです。

過去問も同じです。
なんとなくできている状態ではだめなのです。
やるべき処理を1回で行い、普段から1つずつの仕訳に30秒単位の制限時間を設けて、厳しく練習してください。

練習時間が1時間だとしたら、すべてを厳しくやるわけではなく、30分は厳しくやって、残りの30分は時間を設けずにやっても構いません。
メリハリをつけましょう。

受からない人というのは、1時間の勉強を何となくやってしまうのですが、それは違います。
制限時間を決めてやることです。
これは本番でかなり効果があります。

制限時間を決めて何かをするということを、普段から365日意識していると、いざというときにこの癖が役に立ちます。
仕訳に制限時間を設けることには、深い意味があるのですね。

私はあなたの1級合格を心から応援しています。
ここまでご覧いただきまして誠にありがとうございました。

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