偏差値30台からの逆転!簿記1級合格体験談その3

2013年10月03日
私は「キッズBOKI」で、小学生に簿記2級・簿記3級を受けてもらっていますが、30点弱ぐらいで号泣していましたよ。

大野晃氏(以下、大野):「キッズBOKI」に負けたということですね。
今だから笑い話ですけど、当時その話を聞いたら止めていたかもしれないです(笑)

柴山政行氏:(以下、柴山):簿記3級に落ちても、また受けようとしないで次に進んだのですね。

大野:なぜ受からなかったのに次に進んだのかというと、私は「これから知的な人生を歩みたい」と思っていたので、早く簿記1級にいきたかったのです。

自習室で簿記1級をやっている人を羨望のまなざしで見ていました。
中身よりも、単なる見かけの問題で、簿記2級のテキストを持っていれば簿記3級の受験生から羨ましがられると思ったので、その気持ちだけで進みました(笑)

柴山:そのときに、周りはどんな感じで見ていましたか?

大野:その頃はまた違う彼女がいて、授業中にもメールが来ていて、電話をするために頻繁に授業を抜けていたら、最後は先生に怒られましたからね(笑)

しかも、格好付けたくてブレイクダンスも始めたりしていましたね(笑)
簿記2級は工業簿記が新しく入ってきますが、私は新しいものが好きなので、最初だけはやるのです。

材料費とか労務費あたりまでは真面目にやっているのですが、段々ついていけなくなって、つまらなくなって、飽きてしまうのです。

そうすると、学校で先生とすれ違うと「何で来ないの?」という目で見られて、気まずかったですね。

「答練を受けなさい」と言われても、書けないのに行っても時間が無駄だし、「俺は俺の方法でやる」と思っていました。

結果的には、工業簿記は総合原価計算と材料の費目だけで、商業簿記にいたっては特殊商品販売をかじった程度で、帳簿組織は何もわからなかったですね。

当時は過去問も一切やらずに受けたので、点数は簿記3級のときよりも酷かったと思います。
父は「やっぱりな…」という目で見ていましたね。

当時は簿記をやってくれるだけで嬉しかったらしいので、簿記2級か簿記3級を持っていれば、せめて事務所のスタッフとして働いてもらおうと思っていたらしいです。

柴山:普通は簿記2級に受かるまでに1・2年かかるところが実は違うというところが、大野さんのすごいところですね。

大野:「ゴーイングマイウェイ」と言えば格好いいですけど、当時は周りを見ていなかったので…。

柴山:多分、専門学校の相談室か何かに相談したら「止めろ」って絶対言われますよね。

大野:相談はしたのですが、私は簿記3級や簿記2級には興味がなく、税理士を受けるために簿記1級を取りたかったので、簿記1級のテキストをやれば簿記3級と簿記2級の内容が網羅されているかということを知りたかったのです。

簿記1級の授業を受ければ簿記3級・簿記2級の授業を受けているのと変わらないことになりますからね。

あとは、先ほど話したことと同じように、簿記1級のテキストを持っていれば簿記3級・簿記2級の受験生から羨望のまなざしで見られると思っていましたから(笑)

柴山:中身はどうでもよくて、見てくれから入っているということですよね(笑)

大野:そうです(笑)。だから、自習室で隣に可愛い子が簿記2級とか簿記3級をやっていたら、無駄に背伸びして、やっていないはずの連結会計とかキャッシュ・フロー会計を開いて、やっているフリをしていましたね(笑)

柴山:今まで20年講師生活をしてきましたが、こうやって受かった人は見たことがないです。

大野:ただ、私が簿記1級にチャレンジしたときの一抹の不安は、帳簿組織と本社工場会計は簿記1級のカリキュラムになかったので、万が一試験で出たら完全にアウトになると思いました。
簿記2級をやっていなかったことでの不安は、その部分でしたね。

柴山:でも、これで悩む人も珍しいですね(笑)
本当に異色の合格者で、面白いです。

大野:格好つけた言い方をすれば、神田昌典さんの「非常識成功法則」みたいなものです。

柴山:簿記1級にチャレンジしていたときには「燃えた」そうですが。

大野:これは絶対に取らなければいけないものなので、ここに関しては燃えるしかないですよね。

簿記1級に受からなければ税理士にたどり着かないわけですから。
多分、極限状態にならないと奮い立たないのでしょうね。

あとは、一般の人からも「簿記1級なんてすごいね」と思われるじゃないですか。
その時はまだ旅行の専門学校を辞めていなかったので、そこで簿記1級のテキストを開いて得意げな顔をしていましたね(笑)

柴山:でも、周りからそういうふうに見られるというのは大事かもしれないですね。

大野:税理士になって思うのですが、まだやってもいないことを先に言うと、周りから「当然この人はやるのだろうな」というふうに見られてしまいますが、そうするとやらざるを得ないですよね。

柴山:まずは身なりから入って、それに合わせて中身も伴ってくるというやり方ですね。

大野:私は車に乗らないので、その分お金に余裕があるときには高い時計を買うのです。
買った当時は似合わないのですが、「この時計が似合うような人間になろう」と思って頑張れるんです。

簿記1級の話もそれと同じで、簿記1級のテキストを持つことによって、それが似合う人間になろうということです。

柴山:これが下手に偏差値60ぐらいの、中の上の人がはじめてしまうと、セオリーどおりにやって、いつまでも簿記3級・簿記2級から脱却できなくていつまでも簿記1級にチャレンジできないという、臆病な状態になってしまいます。

しかし、自分から飛び込んでいくということですね。
本能的に、先に「器」に手を出してしまうのですね。

大野:これは参考になるかもしれないのですが、興味ないのかわからないですが、意外とみなさん過去問を見ないですよね。

私の場合は、何も学んでないから過去問を見ても当然解けないのですが、「どんなものが出ているのかな」という感じで、パラパラとめくって見るのは好きでしたね。
着地点だけは必ず見ていました。

柴山:結局、「現場」なんですよね。
過去問は「現場」だし、税理士の仕事にしても、現場を見ないと帳簿ってわからないですから。
意外と現場を見ない人が多いのですよね。

大野:だから、私は簿記1級の合格体験記とか、逆に失敗談とかを見たりしていました。
せっかちな性格だと思うのですが、先に結論を見てしまうのです。

たとえば、ある会社に入ろうとして部長の給料を見たら、意外と少ないのを知って入るのを止めるのと同じ形です。

柴山:コーチングでいうと、まずゴールを想定してから中間目標を順々に設定していくということですね。
本能でコーチングをやっていますね(笑)

そして、簿記1級の勉強法に関して、「一点集中」みたいなことをやっていたそうですが、そのあたりのお話を聞かせてください。

大野:社会人になったら一点集中というのはとても良いことだと思いますが、試験に関していえば一点集中は良くないです。

ただ、当時の私は、周りの人たちがまんべんなくやっている中で、個別分野に特化してやることで褒められたかったのです。

連結会計に関しては簿記1級のレベルだけでは飽き足らず、公認会計士のテキストで増資とか減資とか、それこそ子会社が3個あった場合のレベルまでやって、標準原価計算も公認会計士のレベルまでやっていました。

柴山:普通、税理士の受験生は連結を避けて通りますよね。

大野:意外と、ひらめきだけはなかったのです。
なぜかというと、基礎をしっかりやるタイプではなくて、大物しかやらなかったのです。

型を覚えて、それに当てはめるという形でしかできなかったのです。
だから、原価計算の意思決定は、同じ過去問を25回やっていました。
そうすると、電卓を叩かなくても解答がわかってしまうのです。

柴山:私は10はやったことがあるけれど、20はやったことないです。

大野:私の中では、反射的にならないとダメだと思ったのです。
過去の傾向を見て、型どおりに出るような部分があったので、そこはきっちり取りたいと思っていました。(つづく)